CAGEの語るMI5とJihadi John・英国Twitter反応に失望・今はテロリストでも(追記5)

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CAGEの語るMI5とJihadi John・英国Twitter反応に失望・今はテロリストでも(追記5)

Jihadi John ジハーディ・ジョン ( ジハード聖戦のジョン) と公に発表された
Mohammed Emwazi ( モハメッド・エムワジ ) 氏について
War on Terror (対テロ戦争)関連捜査の人権侵害に反対する団体
CAGE ( http://www.cageuk.org )による記者会見のライブ中継を見ました。


CAGEのAsim Qureshi氏が持った印象では
エムワジ氏は優しく穏やかで謙虚な人だったとのこと…。

そのEmwazi氏が、いかに、MI5からスパイにならないかと勧誘され、
それを断り続けると、様々な行動を規制されるようになり
英国を離れ生まれ故郷のクウェートで働き始め結婚の予定まであったものの
英国に一時帰国した後、テロリスト容疑で、クウェートへの入国を阻まれ
( ビザを発行しないのはクウェート側ではなく英国側の問題とのこと )
サウジアラビアで英語を教えようとする計画も阻止されたか…などの
詳しい状況がCAGEのサイトに書かれています。

‘YOU’RE GOING TO BE FOLLOWED…LIFE WILL BE HARDER FOR YOU’: THE STORY OF MOHAMMED EMWAZI

この見出しはMI5が情報提供者になるのを断った当時21歳のEmwaziさんに言った言葉から

“Listen Mohammed: You’ve got the whole world in front of you; you’re 21 years old; you just finished Uni – why don’t you work for us?”

All this was said in front of the Dutch Intelligence officer. He asked Mohammed to help them out, telling him that this was an opportunity for him – not a lot of people got to meet MI5.

Of course this offer did not go down well with Mohammed who just been accused of being a terrorist, and lost his time, money and holiday because of these intelligence officers, told them he would not work for them and that, being a normal person, there was nothing he could even help them with.

At this, the MI5 agent’s tone became much more disturbing. He began speaking of freedom and Mohammed responded, “I’m free, if I’m not going to work with you it doesn’t mean I’m going to go to prison does it?” While assuring him that he would not go to prison for this, he issued a threat letting him know:

“You’re going to have a lot of trouble …you’re going to be known…you’re going to be followed…life will be harder for you.”

After going through what he had just gone through, Mohammed was shocked to hear this from his own government and decided to just ignore whatever the agent said to him.

The last Mohammed received from the agent was his number on a piece of paper and the words, “we’ll see you in London mate”.

お時間の無い方は、Asim QureshiさんのYouTube動画アピールを

Asim Qureshi – The story of Mohammed Emwazi aka Jihadi John

私は、このクレシ氏が記者会見で言った
When are we going to finally learn that
when we treat people as if they’re outsiders,
they are going to feel like outsiders
and they will look for belonging elsewhere.
( 大まかに言うと )
「いつも、よそ者として扱われていれば
自分が、よそ者だと思って、
どこか自分が属するところを求めるようになるって
いつになったら、わかるんでしょうか」
という言葉に、
深くうなずいたのですが、
この会見の後、Twitterに
ジャーナリストも含む英国人からの非難の声が多く
しかも、その非難が非常に単純で子どもっぽく、
心底ガッカリしました。

マジョリティの人々には分からないのだろうか?と言うより
なぜ、
結構多くの人々が、思考停止し、物事を単純化してしまうのか?と
絶望的な気持ちになりました。
なぜ
MI5の捜査方法や手段の「公正さ」は
グアンタナモ・ベイの「公正さ」に、近いものが
あるのかもしれない、と、
少しでも疑ってみようとはしないのか???
なぜ???
英国人人質、それも、白人の英国人人質を処刑したから???
とでも皮肉りたくなります。

記者会見での発言は
言葉尻を捉えられて大げさに報道されていますが
「MI5のせいでJihadi Johnが生まれた」
なんて言っていませんでした。

当局による不公平な取り扱いで、どんどん生活基盤を
狭められ、その結果、シリアに渡航しISISに加入するという
選択に、MI5の影響・責任がある、と言っていたのです。
そして
これは、今後の対策に、非常に重要なポイントです。

ちなみに
結構多くの英国人の思考停止的な反応の報道は
大衆紙Daily Mail

The Jihadi John apologists: Islamic campaigner who today defended ISIS executioner as a ‘beautiful, kind young man’ was filmed calling for jihad outside U.S Embassy

ここで、やはりMI5から捜査を受けていたCAGEの別のメンバーが
Sky NewsのKay Burleyというジャーナリストのインタビューを
中断して立ち去っていますが、私は、その前の、彼女の報道を見ていて
なんてjudgemental な、決めつけの激しい姿勢なのかと驚いていました。
彼女は
「(Qureshi氏は) Jihadi Johnのビデオは一回しか見てない
と言っていたのに、後で、一回も見てないと言いましたね」
と、得意げに( と、聞こえるような口調で ) 番組でも発言し
ツイートまでしているのですが
Qureshi氏の意味するところは
Washington Postの記者からビデオを見せられるまで
一回も見たことが無かったし、一本のビデオしか見たことがない
という事なのは、普通に記者会見を見ていれば明らかです。

CAGE SPOKESMAN WALKS OFF LIVE SKY NEWS INTERVIEW

A Cage spokesman walked off a Sky News interview live on air after being asked if he condemned the actions of Jihadi John.
Cerie Bullivant accused interviewer Kay Burley of asking him ‘inherently xenophobic’ questions, to which she replied: ‘Nonsense, get over yourself.’

Removing his earpiece: Cage spokesman Cerie Bullivant walked off a live Sky News interview

He claimed that the security services in Britain have ‘time and again harassed people and pushed them , and that has played a part in the radicalisation of this man’.
Mr Bullivant – who spent two years on a control order designed for terrorist suspects, but was an innocent man – was then asked by Burley: ‘Do you condemn his actions’
But he replied, before walking off: ‘I’ve already said… I’m sorry, I’m not answering that question, that’s a ridiculous question, I’ve already gone through this and dealt with it.’
After he walked off screen, Burley paused before looking at the camera and smiling.

私は、この@GallowayismさんのTweetに強く同感しました。
Sky Newsが、ついに、米国のトンデモ(爆)ニュースチャンネルFox News化した、と、
また、Kay Burley の様なIslamophobic( イスラム教を危惧し偏見を持つ人) を
マードック( メディア界の王様的な人 )は大好きだろうと皮肉るツイートです。

@Gallowayism: @KayBurley So, Sky News has finally transformed completely into Fox News. Murdoch must love an Islamophobic hack like you. #kayburley

Sky News, Kay Burley

それから
いつも三面記事的な興味を満たしてくれる詳しい報道記事をあげるDaily Mailですが、
今回は、初期段階での三面記事的報道分野では、このBuzz Feedの方が詳しいというか、
より全面的かと思います。

ISIS Militant “Jihadi John” Identified As Young West Londoner

また
アメリカのCNNニュースチャンネルで、さきほど
「なぜ、コンピューター・サイエンスを専攻した中流階級の大卒が?」
という言葉を聞きましたが
実際には、通っていた大学は
University of Westminsterというロンドンにある
非常に大衆的な入りやすい大学で
( 進学校の生徒が必死で受験勉強して入る様なタイプの大学ではなく)
また専攻がコンピューターというのは、
ともかく就職の見込みを考えての進学であったのではないでしょうか。

家も、写真を見ると、Queen’s Parkの、おそらく、公団住宅っぽく
貧乏ではないけれど、英国で中流というのには厳しい環境で
6歳の時に家族でクウェートから移住して来たことや
アラビア語が話せることなどを考えると、
家族の結びつきが強いいわゆる典型的な移民家族だったのかな、と想像されます。

Queen’s Parkも、移民の多い地域ですが ( Bethnal Greenほどではないですが )
却って移民家族の多い地域の方が差別が多かったり
異民族間の差別や異民族ギャンググループの闘争などがありがちだと思います。
ロンドンは、治安の良い地域と悪い地域が隣接していたりするので
同じQueen’s Parkでも、様々な地区がありますが、
実際に、この家の辺りがどんな状況なのかは、
そこに行けば一目瞭然でわかるでしょうし、
地元の人は当然知っていると思います。

Neighbours shocked by Mohammed Emwazi Jihadi John allegations

近所の人への取材 ( 話している人は皆外国訛り )

ISIS入りする若者が全て
移民政策や反テロ政策やイスラム教への偏見に対する怒りから
ISIS入りするとは決して思いません。
サド的な人、単に暴力的な人もいると思います。
けれども、
普通の若者が過激派になるまでの過程に
移民政策や反テロ政策の失敗や
イスラム教徒や移民に対する偏見や差別が与えている影響は
少なからずあると、私は思いますし
今回Twitterで、多くの、CAGE記者会見を揶揄したり
単純化して否定するツイートの嵐を見て、
英国からISISに移住する若者は、これからも出続けるだろう、と
非常に暗い気持ちになりました。

ところで
今まで、Jihadi Johnだと思われていたのは
エジプト系で、ロンドン西部出身のラッパーAbde Majed Abdel Bary
この動画を見た後、ジハードのジョンよりも、
背がずっと低いんじゃないかと私でさえ思っていましたが
確かに目元は、ちょっと似ているかも。

WATCH: ‘Jihadi John’ Suspect Animated Reaction During 2011 London Riots

この人も、生首を掲げる写真をツイートしているので
ISIS入りしていることはいるのですが…。

念のために加えますが
私はISISシンパではありませんし、
やはり本日のニュースで報道されている
ISISがイラクのMosulの博物館で展示物を壊している姿には涙が出ました。

ISIS Destroys Archaeological Treasures in Mosul

また、イスラム教徒でもありませんし、基本的に
宗教に懐疑的なので、キリスト教徒にもイスラム教徒にも
一生ならないと思います。

けれども、もう結構な年なので
政府など、体制・権威が「テロ」と呼ぶ時には
斜めに構えてしまいます。
なぜなら、昔は、大テロリスト的な扱いを受けていたPLOの
アラファト議長の位置づけが、どんどん変化して行き
亡くなる頃には、偉人的な扱いになっていたからです。
テロリストは、時代によっても、どちらから見るかによっても
変わっていく事があり、各国の政府は、世界情勢に合わせて
ころっと態度を変える事も皆無ではないからです。

昔、
まだ若く、金融街で働いていた80年代は、IRAテロ全盛期で
出勤中の地下鉄は、しょっちゅう不審物疑惑で止まりましたし
実際に、IRAに夜中だったか夜明けだったか
オフィスの近所のビルが爆破される事件も起きました。
その頃、IRAの政党であるシン・フェインのジェリー・アダムスの声は
放送禁止になり、今では信じられないでしょうが、TVでは
いつもアイルランド訛りの役者が吹き替えていました。

Speak No Evil The Story of the Sinn Fein Broadcast Ban
( 長いので、お時間のある時に、どうぞ )

それが、
解禁になり、北アイルランドの状態は
まだ平和とは言えませんが、IRAから別のグループは生まれていますが、
テロリストとしての注目度という意味ではISISの比ではありません。

そのせいか、時々、思うのです。
ISISにも、一種の国というか公な存在を認められる日が
絶対、来ないとは言い切れないのではないか…と。
何が起きるか、わかりませんから…。

やはり若い頃、当時の東ベルリンに旅行に行った時には、
ベルリンの壁が崩壊するとは想像できませんでしたから…。
一方、ベルリンの壁が崩壊した時には
南北朝鮮も、じき、統一されるのでは、
と、思いましたが、それは、未だに成されていませんし
世の中
本当に、どう、転ぶか、わかりません…。

極端な話、
日本は、第二次世界大戦中、英国や米国からは
現在の北朝鮮か、おそらく、それ以上の
テロ国家とみなされていたのではないでしょうか。
テロを終わらせるために原爆を落とした、と
信じている人達が結構いたはずです…。
「自爆テロ」をフランス語では、Kamikazeと呼びます…。
発音はカミカズっぽいのですが、聞くたびに複雑な気持ちになります。
同様に、自爆テロについても、複雑な気持ちを抱いています。

ただ、
唯一、言えるのは、
どんな理由があろうと、どんな大義名分があろうと、
テロであれ、紛争であれ
いつでも、普通の庶民が苛酷な目に遭うということです…。
ISIS支配地域を空爆すれば、必ず、
たまたま、そこで生まれた子ども達も犠牲になるという事です。

【追記】
英国の若者が、ISIS入りすると
「ミドルクラス」とか「well-to-do」と報道されるので、
英国外の人は、文字通り受け取ってしまいますが、
実際は、その言葉のイメージとは、
かけ離れています。

Jihadi John・Emwazi氏は、育ったのは、
確かに裕福な家の多いMaida Valeだけれど
家自体はCouncil Flat( 公団のアパート ) で
この辺りの公団住宅の環境は、
隣接する治安が良いとは全く言えないKilburnと大差無いはず。
Queen’s Parkにしても、確かに、公園の周辺は環境が良いですが、
ロンドン郊外は、同じ地名でも、通りによって
状況が、ガラっと変わることが多いのです。
そして、公開された写真で明らかの様に、
彼の家は、ロンドンでは典型的なCouncil Estateの一角。
おそらく子どもが増えたので、Maida Valeから、
そう遠くないQueen’s ParkのCouncil houseに
移されたのではないでしょうか。
今はCouncilではなく
Housing Associationになっているかもしれません。

それでも、確かに、下層ではありません。
「下層」の家は、親もドラッグ・ジャンキーで
生活保護を悪用していたりするから。
そういう意味で言えば、お父さんが、ずっと
mini cabの運転手で働き続けて
6人?だかの子ども達を養って、って
素晴らしいし、やはり、私が記事を書くにしても
「貧乏」や「下層」などとは、絶対、書けないでしょう。
実際に、貧乏、ではないですから。
それに、中流の下には、入るのかもしれません。

でも、英国で、「ミドルクラス」と
呼ばれている層は、一般的に
かなり裕福ですので、
非常に違和感があります。

また、このEmwazi氏の育った環境は、
おそらく、シリア入りした女子高生達の育った環境に
通じるものがあると思います。

【追記3】
EXCLUSIVE: First picture of the face of the angelic schoolboy who turned into reviled ISIS executioner. How polite west London pupil became bloodthirsty Jihadi John

IMG_0098

In a chilling twist, in a school yearbook from when he was 10, Emwazi lists his favourite computer game as shooting game “Duke Nukem: Time To Kill” and his favourite book as “How To Kill A Monster” from the popular children’s Goosebumps series.
He also lists his favourite band as pop group S Club 7, and when asked what he wants to be when he is 30, writes: ‘I will be in a football team and scoring a goal.’
Emwazi also listed his favourite colour as blue, his favourite animal as a monkey, his favourite cartoon as The Simpsons and chips as his favourite food.

ちなみに、うちの息子たちも
Call of Duty系戦闘ゲームが大好きなんですが
もし何かあったら、言われるんでしょうか…???
好きなゲームは殺人戦闘ゲームだったと?!

そう、Goosebumpsも好きでした!!
10歳の時に「How To Kill A Monster」のような
たわいもない児童の読み物が好きだと
テロリストになった時に、Killという文字だけ
拡大されて、あれこれ言われるわけでしょうか?!!!

ついでに
うちの息子たち、シンプソンズも、チップス( フレンチフライ ) も好きです(爆)。

【追記4】
エムワジ一家は、英国に移住する前はクウェート在住だったものの
クウェート人ではなくイラク系 Bidoun ビドゥン族で、クウェート国籍は無く、
一家は、今、またクウェートに戻り暮らしているとのことです。

【追記5】
Jihadi John’s father ‘a bully and a collaborator with Saddam’: Family fled to Britain from Kuwait after he was accused of helping forces during Iraqi invasion

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